模型製作報告日誌

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番狂わせ 警視庁警備部特殊車輌二課

2011.02.22
押井守監督による書き下ろし小説「番狂わせ 警視庁警備部特殊車輌二課
」が発売されました。

タイトルから分るとおり「機動警察パトレイバー」の特車二課が登場する小説です。
2011年初頭に突如として発売が告知され、ネット上でもすぐさま話題になりました。
久々の「新作パトレイバー」ですからね。
しかも押井監督自らが執筆という事で、否が応にも注目はあつまるというもの。

当初の段階で明らかにされたのは『世界屈指のサッカーチームへのテロ予告に、新レイバー隊員たちは、どう立ち向かうのか』の一文のみ。
新レイバー隊?もしかして今回の主役は野明達ではなく、「劇場版パトレイバー2」に登場した二代目の新人隊員たちが活躍する話なの…?あいつらなんかキャラ薄くなかったっけ…など様々な憶測・邪推が沸立ちました。

間もなくアマゾンにはさらに詳細な内容紹介が掲載されました。
警視庁警備部特殊車輌二課――通称レイバー隊は、二足歩行ロボットで警備を受け持つ、警察きっての特殊な部署であり、“お荷物”部署でもある。そのレイバー隊に、日本で行われるサッカー親善試合でのテロ予告の情報がもたらされた。世界を代表するサッカーチームと、日本の湾岸FCとの試合で、そのテロが行われるというのだ。警察の威信を懸けた、警備体制が発表されるなか、特車二課の後藤田隊長は、レイバー隊の泉野明に、とんでもない特命を下すのだった―― 選手として湾岸FCに潜入すること。昼行灯と言われながらも、警視庁随一の切れ者である後藤田の目論見は何なのか? 迫り来る試合の日。レイバー隊の隊員たちは、テロリストに対し、起死回生の行動に出る! あの“パトレイバー”の外伝が書き下ろしで遂に登場!

文中には「後藤田」や「泉野明」といった文字が。
後藤ではなく後藤田。そもそも後藤喜一隊長の名前のモデルは政治家の後藤田正純氏だというのは有名な話。そして押井監督が今回の「番狂わせ」以前に執筆した「獣たちの夜―BLOOD THE LAST VAMPIRE」という小説には後藤田なる後藤隊長そのまんまなキャラクターが登場する事も一部のファンには有名でした。これを機にパトレイバーの方の後藤も後藤田に改訂するつもりなのか?とまたしても邪推。
それにしても「泉野明」に湾岸FCへの潜入を命ずるって、もしかして女子サッカーチームの話なの?もっと引っ掛ったのはその点…。

さて、実際はどうだったのかというと…本編の主人公は「泉野明」という名前でも「いずみ・のあ」ではなく「いずみの・あきら」という男性隊員でした。
後藤田隊長も後藤喜一隊長その人ではなく別人。
その他の特車二課メンバーも香貫子、太田原、御酒屋…とかつてのメンバーと似たような名前だけど別人という設定。
当初は仮面ライダーディケイドにおけるリ・イマジネーション的な手法(基本設定は踏襲しつつも原典とはパラレルワールドの別世界という解釈)かと思いきや、読み進めるとそういった訳でもなく、「劇場版パトレイバー2」あるいはその小説版「TOKYO WAR」の顛末から後の時代という設定。今回登場する「泉野明」たちは三代目の特車二課第二小隊だというわけです。
パトレイバー的に喩えるなら、TVシリーズにおいてアメリカのレイバー隊「CLAT」が登場した外伝的エピソード「CLATよ永遠に」に近いのかも。別人という設定なんだけど、どこか初代第二小隊の面影がある面々。もっとも、CLATの話は夢オチだったんですけどね。

百聞は一見にしかずという事で、実際の内容に関しては敢えてここでは割愛しますが、「パトレイバー」の新作であり、これまで最も後の時代を描いていた「パトレイバー2」よりさらに未来が描かれた(厳密にいえばPC98のゲーム「PATLABOR OPERATION TOKYO BAY」や学研から発売された「レイバー開発全史」はそのさらに後の時代からの視点のようですが)という事で、その辺りで気になった部分を箇条書きにしてみました。極力ネタバレにはならないように。

・舞台は柘植行人の起こしたクーデターから約十数年後
・バビロンプロジェクトもとっくに終わり、メンテが大変なレイバーはお払い箱に。
・特車二課も一気に暇に。現状は第二小隊のみ営業中。
・第一小隊は事実上の解体。
・AV2式は全6両が攻撃を受け破壊されたが、その後も修理を受け2両が稼動状態にある。
・現在の第二小隊は三代目。二代目のお下がりであるAV2式は10年選手。
・稼働率は50%。1号機か2号機どちらかが立っている時はどちらかが寝ている。
・現在は警備の際にデッキアップし威圧感を演出するためだけの道具となっている。
・オーダーメイドのレイバーを10年近く使っているので部品の調達ももはや困難。
・事件も無いので普段からろくに動かす事もない。
・動かすたびにどこかがイカれるので練習もできない。
・一度稼動させると3分を過ぎた辺りからあちこちに不具合が。5分が限界。
・レイバー隊そのものがいつなくなってもおかしくない状態にある。
・そのため機種転換などもありえない。
・柘植逮捕の功績により警察は特車二課に対し大きな借りを作ってしまった。
・そのため二課を潰すに潰せないという事情もある。
・さらに後藤が二課を去る時に謎の「置き土産」を残していったそうで、その効果も大きい様子。詳細は不明。
・後藤以下初代メンバーは全て警察を去っている。二課棟に残ったのはシゲさんのみ。
・上海亭はあいかわらず健在。出前はバイクではなく軽トラで行われている様子。
・その後は後藤の後輩である後藤田が隊長に就任。
・現在の第二小隊メンバー4人はTV版のCLAT隊のように何故かどういうわけだか初代隊員の面影がある。
・一時期結成の噂もあった第三小隊に関して言及なし。AV-5マグナムの導入の話と共に幻と消えたか。
・小説「夕暴雨」で後藤と同期である事が判明した安積(ドラマ「ハンチョウ」の主人公)らも登場。


ちなみに、前述の「レイバー開発史」によればAV2式ヴァリアントは、警視庁の特車二課以外に、各地方に新設されたレイバー隊にも配備されていた事が語られています。「特注品」とはいえ、当初ある程度の数が量産されていた様です。
加えてピースメイカーに搭載されていたニューロンネットワークシステムの改良版を採用していたそうで、新規レイバー隊員はもちろん、普段ろくに訓練を積んでいない三代目第二小隊でも、有事の際「それなりに」動かす事が可能だったのかも。

そもそも今回の小説は今野敏さんが去年出した「夕暴雨―東京湾臨海署安積班」に特車二課が登場した事に押井監督が感激し、そのお返しという事で今度は自分が書いたパトレイバーの小説に「安積班」シリーズのキャラクターを登場させたという経緯みたいですね。
「夕暴雨」の帯には押井監督が、「番狂わせ」の帯には今野さんのコメントがそれぞれ載っています。

次回はその「夕暴雨―東京湾臨海署安積班」がどれほどまでに「パトレイバー」なのかについて。

テーマ : ブックレビュー

ジャンル : 本・雑誌

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