模型製作報告日誌

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「夕暴雨―東京湾臨海署安積班」はどこまで「パトレイバー」か

2011.03.05
押井監督の「番狂わせ 警視庁警備部特殊車輌二課」に先駆け約一年ほど前に刊行された今野敏さんの「夕暴雨―東京湾臨海署安積班」。

TVドラマ「ハンチョウ~神南署安積班~」の原作にあたる警察小説『安積班シリーズ』の一篇ですが、この「夕暴雨」には、なんとパトレイバーシリーズの特車二課が登場します。

ドラマでは新設された渋谷の神南署を舞台としていましたが、小説ではそれ以前に東京湾臨海警察署(通称ベイエリア分署)を舞台としてシリーズがスタート、その後神南署へと引越し、今作で再び新庁舎が建設されたベイエリア分署へと舞台が戻ったという設定。この新庁舎建設に伴い、その別館として南方1kmほどの土地に特車二課棟が設けられたと本編で語られています。

東京都江東区青海2丁目にあるというベイエリア分署。この場所には東京湾岸警察署が2008年より実在しています。テレコムセンターや船の科学館、そして「お台場ガンダム」が立っていた潮風公園からもすぐ近くです。

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「番狂わせ」でも『安積班シリーズ』と設定がリンクしている様で、安積やベイエリア分署に言及している下りがあるのですが、そこでは「二課棟から歩いて15分」、「『本土』側の国道沿い」と記されています。そうなると、二課棟があるのは青海3丁目の南端といったところでしょうか。凡そTV版準拠の設定のようですね。現実にはもちろん特車二課は存在しませんが、何年か前は実際すぐ近くにガンダムが立っていたという…。
TV版設定ではおおまかに「13号埋立地(台場)にある」程度の言及だったのですが、ここにきてさらに詳細が絞られてきましたね(ちなみにOVA版では城南島海浜公園の近くと設定されています)。TV版放送当時は確かに周辺に飲食店など何も無い場所だった様ですが、現在はフジテレビ周辺がかなり華やかな様子で、マクドナルド等の飲食店も数多く立ち並んでいます。ただ、この辺りの状況は「番狂わせ」によれば現実と少し違っている様で、劇場版2よりさらに数年ほど経った二課棟周辺の食糧事情は未だに改善がみられず、「埋立地には食堂もファミレスも存在しない」、「最寄のコンビニまで車で片道10分」、「大量の出前を配達してくれるのはやはり上海亭しかない」といった状況にさほど変化はない様です。

「夕暴雨」作中ではちょうど特車二課が創設されて間もない頃とリンクしている様子。まだ世間に広く知られる以前のようで、警察内部でもその実態を知るものはまだ少ないという、秘密のベールに包まれた謎の部隊といった位置づけになっています。「第二小隊の新装備」(=98式AV)は物語当初まだ配備されていません。
この時点で「小隊長含めて一個小隊4人」と書かれているので、TVシリーズ第一話の時点で野明が加入する前よりさらにもう1人少ないですね。もしかして山崎ひろみの存在が忘れられているとか…。
『安積班シリーズ』のハンチョウこと安積(ドラマでは佐々木蔵之介が好演)と交通課の速水(同じくドラマでは細川茂樹)が後藤隊長と同期という設定で、後藤をライバル視する速水は得体の知れない部隊を率いる後藤の事を常に気にしている様子が描かれています。つまり佐々木蔵之介と細川茂樹(ヒビキさん!)が隊長と同期…なかなかに胸熱な展開ではないですか。ちなみに「番狂わせ」の方には須田(ドランクドラゴン塚地)も登場します。

「特車二課が登場する」といっても派手なレイバーアクションを繰り広げる訳ではなく、お台場のビッグサイトで開催される同人誌イベントに予告された爆破事件の周辺に特車二課の存在が微妙に絡んでくるといった感じにすぎません。
ですが、そこは以前にガンダムシリーズの『アドバンス・オブ・ゼータ』の小説パートなども書かれており、しかも世にも珍しい1/220スケール専門のガンプラモデラーでもあるという作者の今野さんの思い入れなんでしょうか、端々に『パトレイバー』への愛情が感じられます。登場人物の興味がずっと特車二課へと注がれている事もあって、野明や遊馬達が直接活躍する事こそないものの、まぎれもなく『パトレイバー』なんですよね。安積班の連中が隣のブロックで警備にあたっている特車二課を見て「あいつら何やってんだ?」と終始観察しているような感じ。『安積班シリーズ』を知らなくても『パトレイバー』ファンならばかなり楽しめるのではないでしょうか(ぶっちゃけ「番狂わせ」よりこちらの方が楽しめるという方も多いかも…)
僕は小説版は今回が初めてだったんですが、ドラマ『ハンチョウ』をずっと観ていたので二倍楽しめました!

ただし、この小説自体はあくまで『安積班シリーズ』なので「レイバーが当たり前のように街を闊歩していて誰もがそれに違和感をおぼえない」という世界観にはなっておらず、作中ではレイバー犯罪に関してもバビロンプロジェクトに関しても特に言及はありません。作中の人物はレイバーの存在すら全く知らず、見た事もないのではないかといった感じで、その辺りは読んでいて多少違和感をおぼえるところではあります。 
時代設定も凡そ2008~2010年辺りを想定しているようで、1998~2002年を舞台とした『パトレイバー』の世界に完全に準拠している訳ではないようです。この辺りは仕方ないといった所でしょうか。
特車二課に配備される「特車」に関しても詳細を知るものは殆どおらず「重機を改造し警察用の装備へと転用した物」とベイエリア署内で噂される程度なのですが、とあるシーンで安積がこの「特車」(98式配備前なので、恐らく96式改辺りではないかと思われます)と対峙する下りがあり、それがなかなか印象的に描かれています。

今回と前回取り上げた小説の他に、コトブキヤのディフォルメシリーズだったりピットロードの1/24レイバー指揮車だったりと、地味~に盛り上がってきてる感じのするパトレイバーですが、これからまた何か展開があるんでしょうかね…

テーマ : ブックレビュー

ジャンル : 本・雑誌

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